Simutransカンファレンス2021 運営の振り返り
先日10月16日に開催したSimutransカンファレンス2021は、最大同時参加人数33人と、大盛況のうちに幕を閉じました。参加、発表していただいた皆様、ありがとうございました。
ひめしは本イベントの運営チームとして参加しました(なお主催はかわごえ氏であり、ahakuoku氏にも運営に尽力いただきました)。来年の開催に向けて、参加後に実施したアンケートの結果とその考察をここに書き残しておきます。アンケートの回答数は24でした。
なお、アンケート自体は匿名ですが、個人の特定を防止するため個別の回答の開示はいたしません。ご了承ください。
アンケート結果とその考察
本イベントに対する満足度を教えて下さい
5段階中4と5が半々でした。全体的に満足度の高いイベントとなったようです。
次の開催はいつ頃がよいと思いますか?
22年中の開催を望む声が大半のようです。個人的にはネタの蓄積のことを考えると22年後半が妥当かなと考えていますが、22年前半を望む声が7割となっています。たしかに年末はアドベントカレンダーの季節と重複するので、次回は6月か7月頃を検討しても良いのかもしれません。
次回の開催場所としてふさわしいのはどこですか?
次回もオンライン開催をしてほしいとの声が6割近くになりました。たしかに、会場を借りて開催していた2019年までの実績では参加者が30人を超えたことはなかったので、オンライン開催による地理的ハンデの解消はかなり重要であると考えられます。対面開催はカンファレンスとくっつけて大規模な飲み会などを開催できることが大きなメリットですが、Simutransの知見を共有し、広くあまねくプレイヤーどうしが交流するというカンファレンスの目的を考えると、コロナウイルスが収束してもずっとオンラインのほうが適切なのかもしれません。なお、オンライン開催の場合は運営上の理由により次回はDiscord以外の会議ツールを使用することを考えています。(後述)
次回の開催内容として望ましいのはどれですか?
スライド発表、マップ展覧会ともに好評だったようですので、次回のカンファレンスでも2本立てで行こうと思います。ただし、2つのイベントを同日開催するのは詰め込みすぎ感も否めないので、参加者が増えれば2日間開催も検討すべきなのかもしれません。
【スライド発表】今回は7名が発表しましたが、発表者数は適正でしたか?
スライド発表者7名程度では、枠に制限を設ける必要はなさそうです。
【スライド発表】今回は発表枠を10分に限りましたが、次回はどうしてほしいですか?
オンライン開催では20分枠は長過ぎるという考えから今回は10分枠のみの設定としましたが、5分枠、20分枠もあったほうがよさそうです。勝手に20分ほど発表するケースも数件見られたことから、20分枠を設定した上でタイムキーピングを厳格化する必要があると考えられます。
【マップ展覧会】試遊システムで快適にマップを触れましたか?
大きな支障はなかったものの、快適性に難ありという意見が多かったようです。
【マップ展覧会】試遊システムでどんな不具合がありましたか?
- 画質が荒いと思った
- ドラッグアンドドロップはかなり感度が高めだと感じました。
- クリック関連の操作に支障を感じた
- 不具合というよりは同時に複数人触るので見たいところが見ずらかった。発表者だけが触れるルームなどもあるとよかったかもしれない。
- 複数人の操作が共有される為、操作の指針などがあるとよかった
やはりローカルで遊ぶよりは快適性に劣るようです。「複数人で触る」システムをどう使えばいいのかわからなかったとの声も目立ちました。結局、発表者が触るのを聴衆が見るというGo Live的な使い方をしている場面が多かったようです。
参加者が自分で見るだけであればローカルで実行するほうが快適に遊べることは否めませんので、導入の手間の問題および配布による著作権の問題とどう向き合うかは今後も課題になると考えられます。次回は、ファイルの配布とブラウザアクセス両方を提供してもいいのかもしれません。
【マップ展覧会】同時に発表する人数は適切でしたか?(今回は3人でした)
同時に開催されているセッションを全部聞けないのは惜しいという声も多く聞かれましたが、同時に3人のほうがよいという声のほうが多数派なようです。
【マップ展覧会】発表時間30分は適切でしたか?
今回は発表時間を30分としましたが、事前の説明に時間を要したため実際にマップを触れた時間は20分程度でした。事前説明の時間をきちんと考慮して、実際にマップを触る時間を30分となるようにするのがよさそうです。
その他の運営上の課題
アンケート項目とはしませんでしたが、運営の視点から課題として感じられた点がいくつかありましたので、それについてまとめておきます。
発表時間の管理について
今回スライド発表の発表時間は一律10分でしたが、20分にわたって発表がつづいたケースが数件見られました。本来発表者に対して適切に残り時間をお知らせし、スケジュールの維持に務めるべきでしたが、運営の準備がそこまでまわっておらず参加者の皆様にはご迷惑をおかけしました。
残りの発表時間をお知らせする定番としてベルを鳴らす方法があります。今回もahakuoku氏がベルを鳴らしていたのですが、Discordの仕様によりベルの音がほとんど発表者に届きませんでした。次回のカンファレンスにおいては、発表者に残り時間をわかりやすく提示するとともに、タイムオーバした発表者に対して毅然とした対応を行うことが必要だと考えられます。
Discordの使用について
昨年のシムトラ学会6につづき今年もDiscordのGo Liveを用いましたが、運営上深刻な問題が2つありました。
- GoLiveの視聴は自動的に開始されないため、発表者が変わるたびに参加者全員が手動で視聴先を切り替える必要がありました。この結果、30人近い参加者全員の視聴開始を毎回待つ必要があり、著しい時間のロスが発生しました。
- 一部のPowerPointユーザで、アニメーションを用いたスライドが共有されない不具合がありました。このため、一部の発表者は発表が不可能になりました。
これらはDiscordの仕様でありイベントの進行に著しい支障をきたすものでしたので、次回はDiscord以外の会議ツールを使うべきだと考えています。具体的なツールとしてはzoomを想定していますが、zoomにも以下の問題が考えられます。
- 荒らし参加者の流入制御がDiscordよりも手間になる。(Discordの場合は事前にサーバに参加している人だけがイベントに参加できる。また、なりすましユーザかどうかの判別がつかない)
- zoomを普段使いしているユーザが本名暴露事故を警戒し、使用に対して難色を示される。また、参加者によって名前が適切に設定されないとDiscordやTwitter上の名前と紐付かない。
- Simutransカンファレンスのイベント規模では有料プランの利用が事実上必須。
会議ツールの選定は今後の課題だと考えています。
対面開催の併用およびサテライト会場設置の際の機材運用問題
今回のSimutransカンファレンスは完全オンラインイベントということになっていましたが、実は一部で非公式にサテライト会場が設置されていました。ただし、こうしたサテライト会場ではマイクとスピーカの配置および運用に起因するハウリング問題などが発生しがちで、実際に今回もその問題が見られました。
サテライト会場の発生自体は禁止すべきではないと考えていますが、適切に機材を運用しないとハウリング問題や回線容量不足による通信障害が発生します。特に前者はイベント参加者全員の体験を悪化させるので、運営側がノータッチというわけにもいきません。よって、サテライト会場を設置する際のハウリング対策を義務化するとともに、代表的な対策方法を提示するといった取組が必要になると考えられます。
以上、来年の運営の参考になれば幸いです。