himeshi’s blog

Simutrans本体改造まわりのお話をつらつらと

OTRPの跡継ぎをしてくださる方へ

どうも,ひめしです.

先日のシムトラ学会 in 東京 にて,OTRPの運営の跡継ぎを募集するという話をしました.これは,私が学生生活を終えてしまうとOTRPに継続的に関われる見込みが立っていないことによるものです.

OTRPの運営を継いでいただくといっても,OTRPの運営とはなんぞやという話になると思います.本記事ではあとを継いでくださる方々に向けて,OTRPが今後も派生版として生きていくために必要な作業を説明します.OTRPそのものの運営・開発方針などについては別の記事にまとめてありますので,そちらを読んでください.

himeshi.hateblo.jp

以下,必要な作業を優先度順に並べておきます.

① 本家nightlyへの追従(必須)

OTRPはリリース毎に本家nightlyへの追従を行っています.いくらOTRPが素晴らしい機能を持っていたとしても,本家nightlyより大幅に古いコードをベースにしていては使い物にならなくなります.また,OTRPは本家standardとの完全な互換性を一つの方針としており,そのためには本家nightlyに追従することが必須です.

追従作業は,gitを用いて本家のmasterブランチをOTRPブランチにマージするだけです.8割がたはconflictせずに終わりますが,マージ時にconflictが発生した場合は人力で解決することが必要です.人力でconflictを解決する作業は,それなりにコードへの理解を必要とします.また,conflictが発生しなくてもコードの意味的には壊れている場合がありますので,マージする本家のコミットを大雑把に把握しておくことは必要です.

マージ作業は定期的に行うことが望ましいです.少なくとも2ヶ月間隔で行うと良いと思います.本家stable版の更新に合わせて追従とかいうことをやると,差分が多すぎて手に負えなくなります.

 

② 本家フォーラムにOTRPの機能を持っていく

OTRPと本家nightlyのコード差分が大きいと,追従作業でconflictが発生する可能性が高まり,作業の大きな負担になります.OTRPは本来,本家に受け入れられない機能の受け皿ですが,本家に受け入れられるかもしれないのに本家フォーラムに持って行ってない機能があります(範囲建設ツールなど).OTRPの機能を少しずつ本家に持っていって統合してもらうことで,本家とOTRPの差分が小さくなり管理がしやすくなるだけでなく,OTRP(発祥)の機能をより多くのユーザーに触ってもらうことが可能になります.

 

③ 日本のプレイヤーの要望をOTRPに反映する

せっかくなのでOTRPをこれからも日本向け機能の受け皿として使っていただけたらうれしいです.

 

本家追従さえしていただければOTRPはレガシーとして生き続けることはできます.私の界隈からの引退がOTRPの喪失にならない未来が拓ければ,とてもうれしいです.